| 河北省承徳市 〜天然飲料「露露」の街〜(中国) 上海事務所 次長 町原 豊和 |
| 中国のWTO加盟後、家電・繊維・機械のみならず、食品・農産物等あらゆる業界で中国のコスト競争力を日本企業がどう取りこむかが問われてくる。また、失業者の発生や社会不安等中国経済へのデメリットも予想されるが、これに対し中国政府は2008年北京オリンピック開催を目玉とし、その経済効果を期待している。上海においても人気を博する天然飲料「露露」を製造販売する露露集団公司の拠点となっているのが、河北省承徳市(北京から約200km、車で約4時間)である。 約10haの国家級森林公園に囲まれ、清朝皇帝が憩いの場とした世界文化遺産「避暑山荘」を有する承徳市は、河北省西部に位置し、総面積約4万h、人口約350万、約2万の企業を有する街である。中国国際貿易促進委員会河北省分会・中国国際商会河北商会の碩晶忱副会長は「露露」を代表とする天然食品以外にも、紡織、建材、薬品、冶金等、さまざまな産業が承徳市で発展していることを紹介してくれた。「露露」をはじめ、牛肉・果物の缶詰等、天然食品の製造販売が盛んであるのは、トウモロコシ・ジャガイモ・アンズ・サンザシ・栗・蚕・肉牛等、さまざまな生産拠点を市内に有することが背景にあるという。 紡織:筆者が先般「第二回中国(承徳)国際旅游文化投資貿易商談会」に参加し、サンプル展示品の中に「大阪」の紙札が付いたセーターを見つけた際、その業者から「私の工場で製造したこの製品は、50元(1元=約15円)で日本・大阪に輸出している」と聞いた。また承徳市の重点産業である紡織企業「承徳帝賢針紡股有限公司」の王淑賢董事長は「工場設備の80%は外国からの輸入品である。日本商社の紹介で日本製ミシンを大量に入手し、約1万人の従業員を擁して衣料品を製造している。現在約90%が日本への輸出品で、主に日本の大型チェーン店に出荷している」と語った。 建材:石灰石・耐火性粘土・沸石・花崗岩・玄武岩等の資源を基に生産を伸ばしているという。 薬品:薬材となる植物資源が市内に700種あり、国家レベルで研究開発しているものが10種ある。 冶金:鉄鉱石・銑鉄・鋼鉄等が主要生産品で、市の重点企業である「承徳鋼鉄集団有限責任公司」は、子会社を15社、職員約2万人を抱えている。また工業使用の価値が認められる金属・非金属が37種採掘されており、バナジウムとチタニウムの埋蔵量は中国全土で第2位、リンや玉石も採掘規模が大きい。 インフラ整備:同市第10次5ヵ年計画に基づき、2002年には北京から承徳までの高速道路建設が着工予定(2005年竣工予定)であり、また承徳の東南部に飛行場を建設する計画もあるなど、国内外からの投資貿易に対する環境整備をさらに促進していくとのことである。 筆者は北京から少し離れた中国北部のこの街にも、地元特性を生かし環境産業を中心に自立的に成長する中国国内企業の姿を垣間見ることができた。 (上海事務所 次長 町原 豊和) |