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上海税関国際速達便管理センター

上海事務所 次長 町原 豊和
 本年8月13〜14日、上海国際会議センターにおいて中国税関と中国国際貿易促進委員会の主催で「APEC税関・商業界対話会」が開催された。同対話会には中国各地域の税関代表者、商業界関係者、さらにWTO関係者等が参加した。徐匡迪上海市長は開幕式挨拶の中で、「通関の効率を高めることは上海における貿易・投資環境を改善する重要な施策である」と述べた。上海市政府は通関のスピードアップを推進するよう努め、ここ数年のうちに輸出入商品の通関速度を先進国並に近づけることを目指している。上海税関は中国で最も古い歴史を持っており(1685年[清朝康煕24年]の設置以来、316年を経過)、新世紀を迎え国際経済社会に対応できる条件整備に勉励しようとする上海市側の意気込みが感じられる。
 14日、筆者はオープンしたばかりの「上海税関国際速達便管理センター」を訪問した。同センターは上海浦東空港の東側に位置し、総合オフィスビル1棟と、税関管理倉庫5つからなる、敷地面積83,260m
2、建築面積33,870m2の、上海税関が管理運営する施設である。昨年のAPEC税関手続分会で要求された行動計画に基づき、「便利で、効果的で、透明性のある」通関を目標とし、またWTO評価協定にうたわれたシステムを導入、最新の技術を結集した施設であるという。
 筆者は、同センターの概要説明を受けた後、総合オフィスビル(通関カウンター、検査室、モニター監視室)や倉庫を視察した。昨年度、上海の空港における速達便取扱業務総量は約500万件であったが、本年度上半期はすでに300万件に達し、昨年同期比26%の伸びを示している。現在同センターには24社の速達便取扱企業が入居し、うち「FedEx」「DHL」「UPS」「TNT」の4社は単独の倉庫を持ち、他の20社は倉庫を共同で利用し、荷降、荷積、仕分け、重量検査、書類チェック、安全チェック等の作業を行っている。
 総合オフィスビル内の通関業務についてはコンピューター管理が徹底されており、ビル内に配線されたコンピューターネット(中国電子口岸)上の申告を速達便取扱企業が行えば、速達便の到着以前に、通関時の積荷明細書受領、書類チェックを済ませることができる。また検査・保管状況はモニターで24時間監視され、トラブルにも迅速に対応できるよう配慮されている。
 なお、中国のWTO加盟後、関税率の低下により中国の関税収入が下降するとの予測があるが、趙光華中国税関総署副署長は同対話会後の記者会見で「密輸取締りの強化、輸入の大幅増加、関税管理システムの完備等により、関税収入には大きく影響しないのではないか」との見方を示したという。

(上海事務所 次長 町原 豊和)