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IBOニュース  平成11年9・10月号(No.99)

 開港目前の浦東新空港

上海事務所  次長  堅田 進一

 

 この記事が紙面に出る頃、すでに周知のこととなっているかもしれない。

 総面積3,200haと、関西国際空港の約2.5倍の規模が計画されている「上海浦東新国際空港」は、中国建国50周年、国慶節にあたる今年10月1日の開港に向けて着々と工事が進んでいる。

 今回完成を待つのは、1期工事部分4,000m滑走路1本、面積1,252ha、年間発着回数12万6千回の処理能力を持つものであるが、中国では南の香港と並び、アジアの玄関口の役割を果たすものと期待されている。この浦東新空港は上海の最も東側に位置しており、ここはもともと長江(揚子江)が運んでくる莫大な量の川砂が作り上げた土地で、埋立て用土砂を人工的に運搬する必要がある関西国際空港とは費用の面では大きな違いがある。計画発表段階では現在使用している上海市内西側の虹橋空港の存廃が明確ではなかったが、このほどその概要がようやく発表された。

 発表によると使用中の「上海虹橋空港」についても国際・国内線併用空港として存続し、同虹橋空港に乗り入れている日航、全日空など25の外国航空会社のうち日系3社(日航、全日空とNCA=日本貨物株式会社)を含む17社は2000年1月31日までに「浦東新空港」に移転することとなる。

 開港日の10月1日に移転を完了するのは米国ユナイテッド航空ともう1社、外国航空会社(この記事を書いている時点では発表されていない)。これにより現在乗り入れている外国航空会社のうち、日本、米国、韓国、欧州(欧州はエールフランスとAZ−CARGOを除く)の各社は順次、浦東へ移転。タイを除く東南アジア、オセアニアの各社は虹橋空港に残ることが明確となった。中国国内の各社はどうするのか?今回の発表では定かでないが国際線を有するCA=中国国際航空や全日空と共同運行を行っているMU=中国東方航空なども浦東に移転することになると予測される。

 また国内線では主要幹線(北京、広州、天津、深セン、海南島、香港、マカオ)は両空港併用とし、その他路線は青島以北を浦東新空港が、北西、南西方面の路線を虹橋空港が受け持つとしているが、両空港併用とする基準が明確でなく、具体的な路線名称などその後の詳細が待たれる。一般旅行客等の利用は予定では10月1日からであるが、空港利用料(空港建設協力費)は中国全国基準を採る虹橋空港と同様、国際線90元(1,350円)、国内線50元(750円)となることが明らかにされており、こちらは利用客には影響がなさそうである。

 これまでも日本からの観光客等は、成都、重慶などの内陸部都市への移動には、必ず上海に立ち寄ることになっていて、新空港開港を機に当面その増加が予想されるが、乗り継ぎ時間を利用した上海市内観光については減少が懸念される。この点については、今年はじめに一部が完成した外環状線が、両空港間を1時間で結び、他のアクセス道路も片側3〜4車線の高規格道路が三方に伸びていて(一方は海)、利便性は確保されている。

 また浦東新空港から市内主要箇所にはシャトルバスを10分間隔で運行させることも発表されており、現在開通を待つ地下鉄2号線が将来、浦東新空港へつながる計画とあわせてアクセス面も順調に進んでいる。

 一方、浦東新空港の北側、北西側には、上海市内生産総額の5分の1を占める708億元の生産額を有する浦東開発区(陸家嘴金融貿易区、外高橋保税区、金橋加工輸出区、張江ハイテクパーク)が控え、中国一の取扱量を誇る上海港が長江河口部にあって、浦東新空港を眺める恰好になった。低迷する外資誘致を浦東新空港開港が新たな起爆剤として再び活況を取り戻すかが注目されそうである。

 8月19日、浦東新空港で乗客の搭乗手続のシュミレーションが行われ、既に滑走路の最終チェックも完了した。試験フライトは9月中に行われるが、その間に空港近辺の関連施設整備を終えて、いよいよ一番機が10月1日、滑走路に舞い降り、上海浦東新国際空港の幕開けとなる。