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浦東開発10 周年の現状と将来
上海事務所 所長 草薙勝之
 
 1990年4月18日、中国政府が上海浦東地区の開発を宣言して以来10年を迎えた。本年4月18日に開催された浦東開発10周年を祝う式典をはじめ、10周年前後の期間に、施設・道路のオープンや会議開催などイベントが集中的に開催され、政府、報道、市民が一体となり、盛り上がりを見せた。IBOとしても、1992年2月に他団体に先駆けて浦東研究会を発足させており感慨深いものがある。
 浦東開発とは、旧市街地(浦西)の黄浦江対岸部に残されていた未開発地(浦東)を開発・開放し、深セなどの経済特区を上回る外資誘導政策を採用しながら、上海を国際的な経済・金融・貿易のセンターとして築き上げ、長江(揚子江)沿岸都市の発展を促進するために推進されてきた国家プロジェクトである。新空港、橋・トンネル、道路網(総延長距離1,000 km )、地下鉄、港湾、電気・ガス、上下水道、テレポートなどインフラ整備に2,853.75億元(1元=約13円)を投じており、今後もその整備を進める予定である。開発を先導するための重点開発ゾーンを整備しており、1.陸家嘴金融貿易区(金融・貿易・商業)2.外高橋保税区(総合的国際自由貿易区)3. 金橋輸出加工区(ハイテク・ニューテク関連製造業)4.張江ハイテク・パーク(バイオ・医薬品、情報産業の生産・研究開発拠点)−の4つの地区がある。外資の投資は、1999年12月末で、69 カ国から5,942件で、投資総額294.43億USドル、1,000万USドル以上の大型投資は約400件となった。
 浦東新区(行政区)の面積は522km
2(上海市全体の8.3%、以下同じ)、人口は153万人(8.3%)である。区内総生産額は1990年の60.21億元から800.5億元(1999年末)に増加し、年間成長率は21.3%(上海市10.2%、全国7.1%)、全市に占める割合は8.1%から19.8%となった。産業別にみると、第三次産業の占める割合が20.1%から44.1%へと急速に増加していることが特徴的で、中国の「龍の頭」として、多国籍企業のアジア太平洋地域における地域代表本部の集積を目指してはいるものの、現在25企業に過ぎず香港の700 、フィリピンの250に及ばないのが悩みである。
 本年秋ともいわれる中国のWTO加盟や来年秋のAPEC 国際会議のホスト都市として「国際的な経済基準の先導的採用」が求められるとともに、中央政府の財政支出が西南部開発へ重点化するなかで、現行の浦東地区の優遇政策にも変更が余儀なくされることが予想されている。今後、浦東は「イメージ戦略から実質的な魅力ある都市を築く」ことに努力することになるであろう。
(上海事務所 所長 草薙勝之)
 

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